展示のご案内秋期企画展「埼玉の食と菌類」

秋期企画展「埼玉の食と菌類」

予告企画展示

2025年10月4日(土)〜2025年12月7日(日)

場所:本館第2展示室

展示概要

平成25年(2013)に日本の伝統的な食文化「和食」が、令和6年(2024)には日本酒を含む日本の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本の食文化に世界の注目が集まっています。
本展示では、毎日の食事に欠かせない醤油・味噌・お酒などの発酵を支える菌類(コウジカビ・酵母)にスポットを当て、秩父の郷土食「小昼飯」や、埼玉県のお酒類(日本酒・ワイン・ビール・ウイスキー)と醤油・味噌の歴史などを紹介します。あわせて“菌類そのもの”を食べる例として、野生のきのこや地衣類のイワタケなどをレプリカや標本を展示して解説します。
菌類について知識を深めるとともに、埼玉に根付く食の魅力を再発見できる展示となっています。ぜひ、おいしい菌類の世界をお楽しみください。

菌類を食す

菌類(真菌類)は「食」をはじめ、私たちの生活に身近な存在であるにもかかわらずあまり理解されていません。そもそも菌類(カビ・きのこ・酵母)とはどのような生きものなのかを解説し、埼玉で食べられているきのこやイワタケなどを紹介します。

○ 秩父地方で食べられてきた きのこ

県内に残るきのこの地方名とともに、食べられる野生きのこの一部を紹介します。
現在でも、高級きのことして重宝されるマツタケが、江戸時代には群馬県太田市金山から埼玉県を経由して江戸城まで運ばれた「松茸献上」の歴史についても紹介します。

マツタケ(撮影:近藤芳明氏)

○ 深山の珍味 イワタケ

山地の岸壁に生えるイワタケ(岩茸)は、秩父地方では深山の珍味として親しまれてきた地衣類です。『新編武蔵風土記稿』に描かれた岩茸採りの方法や、古文書に記されたイワタケの味や料理法などから「食べられる地衣類」として世界の注目を集めたイワタケの食文化に迫ります。

『新編武蔵風土記稿』より「岩茸取ノ図」                  岸壁一面に生えるイワタケ                      
縄を頼りに岸壁に生えるイワタケを採る人物が描かれている。

 

埼玉の発酵食品

日本の伝統的な食文化である「和食」には、微生物による発酵を巧みに利用して作られる日本独自の「発酵食品」が欠かせません。発酵のしくみおよび発酵に関わるコウジカビと酵母について紹介します。

○お酒(日本酒・ワイン・ビールほか)

菌類による発酵がかかわる日本酒は、世界に類をみない高度な醸造方法でつくられます。
全国第4位の生産量を誇る埼玉県の地酒の歴史とともに、かつて三峯神社で醸造されたお神酒についても紹介します。そのほか、昭和15年に発売され、埼玉県産ワインの先駆けとなった両神村の「秩父生葡萄酒」や、“第一回 地ビールブーム”が起きた明治時代に製造された春日部の「マルコビール」、蒸留酒の代表であるウイスキー、パンなどの製造過程と歴史を広く紹介します。

○麦味噌と濃口醤油

コウジカビが麦と大豆を発酵することで甘みとうま味を作り出し、味わい深い味噌や醤油がつくられます。かつて、荒川水系の芝川を利用した舟運によって一大消費地の東京へと出荷された川口の麦味噌や、毛呂山町から広まった吉野川式自家用醤油の歴史を紹介します。


芝川の河岸場から出荷される味噌            醤油の圧搾機と技師(所蔵:毛呂山町郷土資料館)
(所蔵:川口市教育委員会)

関連イベント

1)大人のための講座「地形と水とお酒」
日 時:10月5日(日)10:00~15:00(予定)
内 容:地域の歴史と地形、酒づくりの関係を歩いて学ぶウォーキングイベントです。
場 所:深谷市横瀬周辺
定 員:20名
費 用:300円
申 込:事前申込制
対 象:高校生以上
※当イベントは、開催日の一カ月前からホームページまたは電話で申し込みができます


(画像提供:株式会社 丸山酒造)

2)かわはく研究室「ミニきのこ展」
日 時:10月13日(月・祝) ①10:30~11:30 ②13:30~14:30
内 容:野外で見られる秋のきのこを展示します。
(講師による解説は11:30と13:30に実施)
講 師:埼玉きのこ研究会
場 所:県立川の博物館 本館前
費 用:無料
申 込:当日参加


※当日、展示されるきのこの種類は写真のものとは異なります。

3)大人のための講座「醤油づくりを学ぶウォーキング」
日 時:11月16日(日) 10:00~15:00(予定)
内 容:入間川と越辺川の合流地点の地形を学びながら金笛醤油パークを訪ねます。
場 所:川島町上伊草周辺
定 員:20名
費 用:300円
申 込:事前申込制
対 象:高校生以上
※当イベントは、開催日の一カ月前からホームページまたは電話で申し込みができます


(画像提供:笛木醤油株式会社)

4)展示解説
日 時:11月9日(日)および12月6日(土)➀10:00~ ➁13:30~
内 容:本展示を担当した学芸員が展示の見どころやポイントを解説します。
場 所:県立川の博物館 第2展示室
定 員:各回10名程度
費 用:無料
申 込:当日参加

埼玉県立川の博物館

〒369-1217 埼玉県大里郡寄居町小園39

048-581-7333

休館日
月曜日(祝日・振替休日・県民の日・夏休み期間は開館)
年末年始(12/29~1/3)
施設整備の集中保守点検に伴う臨時休館有り
営業時間
通常期 9:00~17:00 ※入館は閉館30分前まで
夏休み期間
[平日]9:00~17:00
[土・日・祝・8/11~8/15]9:00~18:00
入場料
一般410円(240円) 学生200円(120円) 中学生以下無料
※()内は団体料金
※荒川わくわくランドとアドベンチャーシアター観覧は別料金
駐車場
あり(普通車:300円 バス:1030円)